サグラダファミリア完成予定は2026年?今後の最新見通しは
結論:サグラダファミリアの完成予定は2026年でしたが、新型コロナウイルスによる工事中断の影響で延期が濃厚となっています。現在も建設は続けられており、外観完成を目指して進行中です。
サグラダファミリアとは?世界中の人々を魅了する未完の大聖堂
サグラダファミリア(Sagrada Família)は、スペイン・バルセロナにあるローマ・カトリック教会で、カタルーニャ出身の建築家アントニ・ガウディによって設計された壮大な宗教建築です。
1882年に着工されて以来、140年以上の歳月をかけて建設が続けられている「世界一有名な未完成建築物」として知られています。その特徴は、細部までこだわった彫刻と、キリスト教の象徴が随所にちりばめられた荘厳なデザインです。
2010年には、ローマ法王ベネディクト16世によって「小聖堂」から「教会堂」へと格上げされ、正式に聖堂として認可されました。さらに、1984年にはユネスコの世界遺産にも登録されています。
なぜ2026年完成予定だったのか?
サグラダファミリアの完成目標が「2026年」とされた理由は、設計者であるアントニ・ガウディの没後100周年にあたる年であり、記念すべき節目とするためでした。
近年ではデジタル建築技術(CADや3Dプリンティング技術)の導入により、工事の進行スピードは格段に上がっていました。このため、かつては「ついに完成が見えてきた」と期待されていたのです。
新型コロナによる影響で完成は延期へ
しかし、2020年に発生した新型コロナウイルスの世界的パンデミックは、サグラダファミリアの建設にも大きな影響を与えました。
- 工事の一時中断:スペイン全土がロックダウンとなり、建設作業は完全に停止
- 資金の大幅減少:建設費用の多くは入場料による収入でまかなわれていたが、観光客の減少で収益激減
- 人員と資材の確保が困難に:制限により労働者数や資材供給にも支障
これにより、2026年完成は「不可能ではないが、極めて困難」とされ、現在では関係者の多くが延期を前提に動いています。

サグラダファミリア
最新の進捗状況(2025年時点)
2025年現在、工事は再開されており、目立つ進展もいくつか報告されています。特に注目されるのが以下の塔の進行です:
- マリアの塔:2021年に完成。サグラダファミリアで2番目に高い塔(138m)
- 福音書記者の塔:ルカ・マルコ・マタイ・ヨハネの4塔が建設中
- イエス・キリストの塔:中央に位置し、最も高い塔(172.5m)になる予定。完成すれば教会建築として世界最高峰
これらの塔の完成によって、サグラダファミリアの外観はほぼ完成に近づいており、観光客にもその壮観さが実感できるようになっています。
建設が長期化する背景とは?
なぜサグラダファミリアはここまで完成に時間がかかっているのでしょうか。その理由には、単に工事が遅れているというだけでなく、以下のような要因があります:
1. ガウディの設計思想が複雑で再現困難
ガウディは建築を「自然と調和した神の創造」ととらえており、サグラダファミリアの構造は曲線や光の反射など非常に複雑。しかも多くの設計図や模型がスペイン内戦で焼失してしまったため、後世の建築家たちはその理念を再現するのに苦労しています。
2. 政府の公的資金が使われていない
この教会は「贖罪教会(しょうざいきょうかい)」であり、資金はすべて寄付と入場料に依存しています。国家予算が投入されないため、資金調達には常に限界があります。
3. 職人技の必要性と現代技術の融合
多くの彫刻や装飾には伝統的な職人技が必要とされ、完全な自動化は困難。最新技術と手作業の融合により、時間とコストがかかっています。

サグラダファミリア
サグラダファミリアの今後の見通し
現在、関係者は「2026年までに外観の完成」を目標としていますが、最終的な内部装飾や全体の細部までの完成は、2030年代にずれ込む可能性が高いと見られています。
とはいえ、塔の完成やライトアップの導入など、進捗は着実に前に進んでおり、「完成間近」という実感を持つ観光客も少なくありません。
観光客への影響:今でも十分に楽しめる理由
未完成とはいえ、サグラダファミリアの魅力は圧倒的です。
- 内部のステンドグラスが織りなす幻想的な光
- すでに完成している塔やファサード(正面彫刻)の芸術性
- 建設中の様子を間近で見学できるという「今しか見られない体験」
特に朝と夕方の光の差し込み具合によって、内部の雰囲気が劇的に変わるため、訪問時間を工夫することで二度楽しめるのも魅力のひとつです。
まとめ:完成は近づくも「2026年」は現実的に延期へ
サグラダファミリアの完成予定は2026年とされていましたが、現状ではその年までの完成は難しい情勢です。しかし、建設は着実に進んでおり、完成に向けた熱意と努力は現在進行形で続けられています。
完成後には、ガウディが夢見た「神に捧げる建築」がようやく全貌を現し、世界中からさらなる注目を集めることでしょう。今この瞬間も「歴史の途中」を見られるという意味では、未完成のサグラダファミリアにも大きな価値があります。