巻きすの裏表はどっち?正しい向き・使い方・お手入れ方法まで徹底解説
巻きすの裏表はこう見分ける!初心者でも迷わない基本知識
巻きすを初めて手にしたとき、多くの人が悩むのが「裏表の向き」です。ぱっと見ただけではどちらが正しい面なのか分かりづらく、誤った面を食材に使ってしまうと「巻きにくい」「仕上がりが崩れる」といった失敗につながります。そこでまずは、巻きすの裏表を迷わず判断できるようになるための基本知識を整理してみましょう。
裏表の違いは「竹の面」と「紐の有無」
巻きすは、細い竹の棒を横に並べ、それを縦方向に通した紐で固定することで作られています。このシンプルな構造が裏表を生み出す理由です。
裏表を区別する最大のポイントは、紐が見えるかどうかです。
- 表(オモテ):竹が滑らかに並び、紐が見えない面
- 裏(ウラ):竹を固定している紐が見える面
表面は竹が均一に並び、すべすべとした感触があります。一方、裏面は紐が見えており、デコボコした手触りです。この違いを覚えておくだけで、迷うことがぐっと減ります。
表=滑らかな面、裏=紐が見える面
巻きすを実際に手に取って観察すると、竹の節や表面の仕上げに違いがあることに気づきます。表は節がそろって整っているのに対し、裏は少し粗く感じられるはずです。
触覚でも簡単に判断できます。表はスムーズでツルツルしているため、海苔や酢飯が貼りつきにくい仕上げになっています。逆に裏は紐や結び目があるため、食材がくっつきやすく、巻き寿司には不向きです。
覚え方のコツとしては、「食材に触れるのはいつも滑らかな面」と意識すると忘れにくいでしょう。手でなぞってみて気持ちよいと感じる面が表、ゴツゴツしている面が裏だと考えれば直感的に判断できます。
なぜ「表」を食材側にするのが正解なのか
「裏表を間違えても巻けるのでは?」と思う方もいるかもしれません。確かに裏面を内側にしても寿司を巻くことは可能ですが、仕上がりや作業効率に大きな違いが出ます。
表を食材側に使うメリットは次の通りです:
- 巻きやすい:摩擦が少なく、海苔や酢飯がスムーズに動く
- きれいに仕上がる:海苔の表面がピンと張り、見た目が美しい
- くっつきにくい:酢飯が竹の隙間や紐に入り込まない
一方で、裏面を内側にしてしまうと、摩擦で巻きにくくなったり、酢飯が紐の間に入り込んで巻きすが外れにくくなるトラブルが発生します。結果として、せっかく巻いた寿司が崩れてしまうこともあります。
そのため、巻きすは必ず表の滑らかな面を内側にして使用するのが基本です。裏は外側にして力をかける部分と覚えておきましょう。
さらに、巻きすの裏表を正しく理解しておくことで、料理の完成度が格段に上がります。特に恵方巻きのように見た目と形の美しさが重要視される料理では、表を正しく使うことが欠かせません。初心者の方でも、この基本を押さえておくだけで、見た目も味も満足度の高い巻き寿司を作れるようになるでしょう。
裏表を間違えると失敗する理由
巻きすはシンプルな調理道具ですが、実は裏表を間違えて使うだけで寿司作りの成功率が大きく変わることをご存じでしょうか?
「どちらでも巻けるのでは?」と思う方も多いのですが、実際には裏表の違いが寿司の仕上がりに直結します。この章では、巻きすの向きを誤って使った場合にどのような問題が起こるのかを、原因とともに詳しく解説していきます。
寿司がうまく巻けない原因
巻きすを裏返して使ってしまうと、最も多く起こる失敗が寿司がうまく巻けないことです。裏側は紐が表面に出ており、竹の並びも粗いため、どうしても摩擦が大きくなります。この摩擦によって、海苔や酢飯がスムーズに動かず、結果として巻きが緩んだり、形が崩れたりするのです。
さらに、裏面では力を均等に伝えにくいため、片側だけがきつく巻かれたり、反対側がゆるんだりすることがあります。その結果、断面が斜めになったり、具材が片寄ったりと、見た目も悪くなってしまいます。
寿司をきれいに巻くコツは「均等な力で、一定の方向に巻き上げる」ことです。表の滑らかな面を使えば摩擦が少なく、自然と全体に力が分散されるため、初心者でも形の整った寿司を作りやすくなります。つまり、巻きの美しさは巻きすの向きに大きく依存しているのです。
巻きすに酢飯や海苔がくっつくトラブル
もう一つの大きな問題は、裏面を内側にして使ったときに起こる食材のくっつきです。裏面には紐の結び目や竹の段差があり、そこに酢飯や海苔が入り込んでしまいます。その結果、巻き終わって巻きすを外そうとしたときに、ごはん粒や海苔がくっついて剥がれにくいというトラブルが発生します。
せっかく上手に巻けたと思っても、巻きすを外すときに中身が崩れてしまえば、努力が台無しになってしまいます。特に酢飯は水分を含んでおり、竹の繊維や紐の隙間に入り込むとベタつきが増して扱いにくくなります。
このような失敗は、ラップを敷いて防ぐ方法もありますが、それでも裏面を内側にするとラップの上で摩擦が増し、やはり巻きづらさを感じることが多いです。基本はやはり「表を内側に使う」ことが、巻きすを最大限に活かすコツです。
見た目の美しさに影響するポイント
寿司作りでは味と同じくらい見た目の美しさも大切です。特に恵方巻きや来客用の料理では、断面の美しさや外観が仕上がりの評価を大きく左右します。
表を内側にして使えば、摩擦が少ないため海苔の表面がピンと張った状態で巻けます。その結果、切ったときの断面がきれいで、具材も中央に整いやすくなります。
一方、裏面を使うと摩擦で海苔がシワになったり、表面がボコボコしたりすることがあり、断面も崩れがちです。これは見栄えを重視する料理では大きなマイナス要素となります。
また、裏面で巻くと巻き終わりが浮きやすいのも特徴です。海苔の端がしっかり密着せず、時間が経つと巻きがほどけてしまうこともあります。これではせっかくの料理が台無しになりかねません。
つまり、巻きすの裏表を間違えることで起こる主なリスクは次の通りです:
- 巻きがゆるんで形が崩れる
- 酢飯や海苔が巻きすにくっついて外れにくくなる
- 見た目が悪く、断面がきれいに仕上がらない
- 時間が経つと巻き終わりがほどけやすくなる
このように、たった裏表を逆にするだけで、寿司作りにおける見た目・作業性・味の満足度が大きく損なわれてしまうのです。逆に言えば、裏表を正しく理解するだけで、初心者でも見違えるほどきれいに巻けるようになります。
巻きすの種類と構造を理解しよう
巻きすを正しく使いこなすためには、単に裏表の見分け方を知るだけではなく、巻きすの種類や構造そのものを理解することが大切です。巻きすは一見どれも同じように見えますが、実は素材や形状によって特徴が異なり、用途も変わってきます。自分の料理スタイルに合った巻きすを選ぶことで、寿司作りや料理の仕上がりが格段に良くなります。
竹すだれと鬼すだれの特徴と違い
巻きすには大きく分けて「竹すだれ」と「鬼すだれ」の2種類があります。どちらも竹を材料にしていますが、太さや並べ方に違いがあり、それぞれ得意とする使い方があります。
- 竹すだれ:細い竹の棒を密に並べて紐で編んだもの。しなやかさがあり、繊細な巻きが可能。
- 鬼すだれ:太い竹を粗く並べて編んだもの。強度があり、しっかりとした圧力をかけられる。
竹すだれは最も一般的で、家庭での巻き寿司作りに広く使われています。柔軟性が高いため、海苔や酢飯を優しく包み込み、美しい断面の寿司を作るのに適しています。
一方、鬼すだれは竹が太いため、力強く巻くことができ、特に太巻きや形を崩したくない料理に最適です。巻きすとしてだけでなく、卵焼きを四角く成形する道具としても使われることがあります。
素材による使いやすさの違い
巻きすといえば竹製が定番ですが、最近ではプラスチック製やシリコン製の巻きすも市販されています。それぞれの特徴を知っておくと、用途に合わせて使い分けができ便利です。
- 竹製:伝統的で自然素材ならではの風合いがある。吸湿性が高い反面、カビやすいため手入れが必要。
- プラスチック製:水分に強く、洗いやすく衛生的。軽量で扱いやすいが、竹に比べると柔軟性に欠ける。
- シリコン製:柔らかく耐久性があり、丸洗いできる。裏表が分かりにくい場合もあるが、両面使える設計のものもある。
竹製は伝統的な寿司作りに最も適していますが、手入れが苦手な方にはプラスチックやシリコン製もおすすめです。特にシリコン製は電子レンジでの加熱調理に対応している製品もあり、料理の幅が広がります。
巻きすのサイズと選び方のコツ
巻きすのサイズは一見どれも同じように思えますが、実はさまざまな大きさが存在します。一般的なサイズは約24cm×24cmの正方形ですが、大きめの寿司や業務用にはさらに大きなものもあります。
サイズ選びのポイントは以下の通りです:
- 家庭用なら24cm前後:標準的な巻き寿司や恵方巻きにちょうどよいサイズ。
- 太巻き用には大きめ:具材を多く入れる場合や、太巻きを作るときは大きめが便利。
- デザートや卵焼き用には小さめ:和菓子や卵料理には小ぶりな巻きすの方が扱いやすい。
また、巻きすの厚みや編み方によっても使いやすさが変わります。竹が細かく密に並んでいるものは繊細な巻きに向いており、竹が太めで間隔が広いものはしっかりと圧をかけたい料理に向いています。購入する際は、自分がどのような料理に使うのかを考え、サイズと構造をチェックして選ぶことが大切です。
巻きすは一見ただの竹のマットのように見えますが、その素材・構造・サイズの違いによって用途や仕上がりに差が出ます。自分に合った巻きすを選べば、寿司作りがもっと楽しく、失敗も少なくなるでしょう。
巻き寿司や恵方巻きをきれいに巻くための使い方
巻きすの裏表を正しく理解できたら、次のステップは実際に寿司をきれいに巻くための使い方を身につけることです。巻きすはただ食材を丸める道具ではなく、使い方ひとつで仕上がりの見た目や食感が大きく変わります。ここでは、巻き寿司や恵方巻きを美しく仕上げるための具体的な方法と、初心者でも失敗しにくいコツを紹介していきます。
酢飯がくっつかない便利な裏技
巻き寿司を作るときによくある悩みが「酢飯が巻きすにくっついてしまう」という問題です。ご飯粒が竹や紐の間に入り込むと、きれいに外せず仕上がりが崩れてしまうこともあります。これを防ぐためには、ちょっとした工夫が役立ちます。
- 巻きすにラップを敷く:もっとも手軽で効果的な方法。巻きすに直接食材が触れないので、後片付けも楽になります。
- 手や巻きすを酢水で濡らす:酢水を手や巻きすに軽く塗ると、酢飯がくっつきにくくなります。
- 酢飯を薄く均一に広げる:厚みがバラバラだと巻きすに強く押し付けられ、くっつきやすくなります。
特にラップを敷く方法は初心者におすすめです。ラップごと巻けば、巻きすを洗う手間も減り、衛生的に扱えます。プロの料理人でも、最近はラップを活用している人が多いほどです。
ラップを使った衛生的な使い方
現代の家庭では、巻きすに直接食材を乗せるのではなく、巻きすと食材の間にラップを敷いて使うのが一般的になってきています。これは単に便利なだけでなく、食品衛生の観点からも非常に有効です。
使い方はシンプルです。巻きすの表(滑らかな面)を上にして置き、その上にラップを広げてから海苔や酢飯、具材をのせます。ラップは少し大きめに切っておくと、両端からはみ出さずに巻けて便利です。
この方法のメリットは以下の通りです:
- 巻きすに食材が直接触れないため清潔
- 巻き終わったらラップごと外せるので作業がスムーズ
- 毎回洗う必要がなく後片付けが簡単
- 同じラップを再利用できるためエコにもつながる
巻きすを頻繁に使う方や、家族で一度に大量の巻き寿司を作るときは、このラップ活用法が特に便利です。巻きすそのものを長持ちさせるためにもおすすめの方法です。
失敗しない巻き方の手順とコツ
巻き寿司を美しく仕上げるには、正しい順序で巻くことが大切です。ここでは、初心者でも成功しやすい巻き方の手順を紹介します。
- 巻きすを準備する:表(滑らかな面)を上にして置き、ラップを敷く。
- 海苔を置く:ツヤのある面を下にし、ザラザラした面を上にして酢飯を広げやすくする。
- 酢飯を均等に広げる:海苔の上に酢飯を薄く敷き、上下1〜2cmは余白を残す。
- 具材を並べる:具材は中央に横一列に置く。多すぎると巻きにくくなるので注意。
- 手前から巻き始める:指先で具材を押さえながら、巻きすを手前から奥へ持ち上げるようにして巻く。
- 形を整える:一度巻いたら、巻きすごと軽く握り、全体に均等な圧力をかけて形を安定させる。
- 仕上げ:巻き終わったら巻きすを外し、濡れ布巾で拭いた包丁で切り分ける。
巻くときのポイントは、力を入れすぎないことです。強く握ると酢飯がつぶれて具材がはみ出してしまいます。反対に力が弱すぎると緩んで崩れやすくなるため、軽く押さえながら均等に巻くことを意識しましょう。
また、包丁を使うときは必ず濡れ布巾で拭きながら切るのがコツです。ご飯粒が刃にくっつかず、断面がきれいに仕上がります。プロの寿司職人も必ず実践している基本技です。
この一連の流れをマスターすれば、初心者でも見栄えの良い巻き寿司や恵方巻きを作ることができます。慣れてきたら具材のアレンジを楽しむのもおすすめです。たとえば、定番のきゅうり・卵焼き・かんぴょうだけでなく、アボカドやサーモンを加えればモダンな寿司ロールも簡単に作れます。
巻きすの裏表を見分ける簡単チェック方法
「巻きすの裏表がいまだに分からない…」という悩みは、寿司作り初心者だけでなく、意外と経験者でもよくあることです。特に竹製の巻きすは見た目がよく似ているため、直感的に判断するのが難しい場合があります。しかし、裏表を迷わず見分けられるようになれば、料理のスピードも仕上がりの美しさも格段にアップします。ここでは、誰でもすぐにできる裏表のチェック方法を紹介します。
初めてでも分かる3つの確認ポイント
巻きすの裏表を見分けるには、以下の3つの確認ポイントを押さえておくと便利です。これを覚えておけば、どんな巻きすを手にしても迷うことはなくなります。
- 紐の有無を見る:紐が見えている面は裏。紐が隠れていて滑らかな面が表です。
- 手触りを確認する:表はツルツルとしてスムーズ、裏はゴツゴツしてでこぼこしています。
- 竹の節の並びを見る:表は節がそろって美しく、裏は節の向きがバラバラで粗い印象です。
この3つを確認すれば、裏表の判断は一目瞭然です。特に「紐が見える方=裏」と覚えておけば、迷ったときでもすぐに答えが出せます。
写真や実物で覚えるのが一番早い
文字で説明を読んでも、実際に見て触ってみないとイメージがつかみにくいものです。そのため、実物で確認するのが一番確実です。手元に巻きすがあるなら、表と裏を交互に触ってみて違いを確かめましょう。
また、ネット通販の販売ページや料理本には、巻きすの裏表を比較した写真が載っていることもあります。写真を見ながら「この面が表」「こちらが裏」と認識しておくと、実際の調理中に迷わずに済みます。
さらに、普段から巻きすを使いながら「今は表を内側にしている」と意識的に確認する習慣を持つと、自然と体で覚えられます。繰り返し触れることで、直感的に判断できるようになるでしょう。
購入時に「表」と「裏」を覚えておく工夫
巻きすを購入したばかりのときは、裏表を最初に確認して覚えておくのがおすすめです。商品によっては、最初から表が上になるように包装されていることもあります。その状態で「この面が表」と記憶しておけば、次回以降に迷うことが少なくなります。
また、自分なりに目印をつけておくのも効果的です。例えば:
- 表面の端に小さなシールを貼る
- 裏の角にマジックで小さな印をつける
- 収納するときに表を上にして畳む習慣をつける
こうした工夫をしておけば、調理中に慌てて確認する必要もなくなります。特に家族で共用している場合や、複数の巻きすを使い分けている場合は、目印をつけておくと混乱を防げます。
まとめると、巻きすの裏表を見分ける簡単な方法は以下の通りです:
- 紐がある面=裏、紐が見えない面=表
- 触ったときにスムーズな方=表、でこぼこした方=裏
- 竹の節がそろっている方=表、バラついている方=裏
- 購入時に確認して、目印をつけておく
- 写真や実物を見ながら直感的に覚える
これらのポイントを押さえておけば、もう裏表で迷うことはありません。調理中の小さな迷いがなくなることで、寿司作りに集中でき、仕上がりも格段に良くなります。
巻きすを長持ちさせるための注意点
巻きすはシンプルな道具ですが、正しく扱わないとカビの発生・変形・破損といったトラブルが起こりやすい調理器具でもあります。特に竹や木といった天然素材で作られた巻きすは、湿気や水分に弱いため注意が必要です。ここでは、巻きすを衛生的に、そして長く使い続けるための具体的な注意点やお手入れ方法を解説します。
カビや変形を防ぐ正しい保管方法
巻きすで最も気をつけたいのがカビの発生です。使用後にきちんと乾かさず収納してしまうと、竹の内部に湿気が残り、すぐにカビが生えてしまいます。カビが発生した巻きすは衛生的に使えなくなるため、保管方法がとても重要です。
正しい保管のポイントは以下の通りです:
- 使用後はすぐに洗う:酢飯や具材のカスを放置すると雑菌の温床になります。
- 風通しの良い場所で乾燥:直射日光は避け、日陰で自然乾燥させましょう。
- 密閉しない:ビニール袋やタッパーにしまうと湿気がこもり、カビの原因になります。
- 通気性のある袋に入れる:紙袋や布袋で包むと、ホコリを防ぎつつ湿気も逃がせます。
特に梅雨や夏場は湿度が高いため、巻きすを出しっぱなしにせず、定期的に広げて空気に触れさせるのも有効です。
濡れたまま放置しないことの重要性
巻きすは濡れたまま放置するのが最も危険です。竹は水分を吸いやすいため、乾かさずに置いておくと変形や腐食の原因になります。また、水分が長時間残ることでカビや雑菌が繁殖しやすくなります。
どうしてもすぐに洗えない場合は、せめて乾いた布巾で水気を拭き取り、広げた状態で一時的に置くようにしましょう。そのまま丸めて放置するのは絶対に避けてください。
また、乾燥方法にも注意が必要です。直射日光や電子レンジで急速に乾かすと、竹が割れたり紐が緩んだりすることがあります。自然乾燥でじっくり乾かすのが一番安心です。
清潔を保つための正しい洗い方
巻きすの洗い方も長持ちさせるための重要なポイントです。間違った洗い方をすると、竹を傷めたり紐が切れてしまうことがあります。
正しい洗い方の手順は以下の通りです:
- 使用後すぐにすすぐ:ぬるま湯で酢飯や具材を軽く洗い流します。
- 柔らかいブラシで洗う:スポンジや小さなブラシで竹の隙間まで優しくこすります。
- 洗剤は控えめに:中性洗剤を少量だけ使い、すすぎはしっかり行いましょう。
- タオルで水分を拭く:洗った後は布巾で水気を取ります。
- 風通しの良い場所で自然乾燥:完全に乾くまで収納しないようにします。
注意すべきは、食洗機を使わないことです。高温での洗浄や乾燥は竹のひび割れや紐の劣化を招きます。また、ゴシゴシと強くこすりすぎると竹がささくれて怪我の原因になることもあります。
もし汚れがひどい場合は、熱湯をかけて殺菌したり、薄めた食用酢で拭くのも効果的です。ただし、長時間水に浸けっぱなしにするのは避けましょう。紐が緩んだり、竹が変形するリスクがあります。
さらに、調理時に巻きすが汚れない工夫も有効です。ラップを敷いて使えば、巻きす自体が汚れにくくなるため、洗浄の手間も大幅に減ります。清潔さを保ちながら、長く使い続けられるのです。
巻きすは正しく手入れすれば、何年も使える丈夫な道具です。ちょっとした注意を怠らないことで、衛生的にも安心して長く愛用できるでしょう。
巻きすの応用的な使い方
巻きすというと「巻き寿司を作る道具」というイメージが強いですが、実はそれだけではありません。巻きすはシンプルで柔軟性のある調理器具なので、アイデア次第でさまざまな料理に応用できます。ここでは、寿司以外にも活躍する巻きすの使い方や、素材による特徴を活かした調理法を紹介します。
卵焼きや和菓子作りにも使える
巻きすの代表的な応用方法のひとつが、卵焼きや和菓子の成形です。たとえば、厚焼き卵を焼いたあとに巻きすで包んで形を整えると、四角く美しい卵焼きに仕上がります。これにより、断面がきれいになり、お弁当やお祝い料理にぴったりの見栄えになります。
また、巻きすは和菓子作りでも役立ちます。代表的なのが伊達巻です。魚のすり身や卵を混ぜて焼いた生地を巻きすで巻くことで、表面に美しい竹模様がつきます。これが伊達巻特有の見た目を作り出しているのです。
さらに、求肥や羊羹といった和菓子を巻きすで軽く整えると、均一な形に仕上げやすくなります。巻きすは「押し型」としても活用できるのです。
プラスチック製・シリコン製巻きすの特徴
最近は竹製だけでなく、プラスチック製やシリコン製の巻きすも多く販売されています。これらは耐久性や手入れのしやすさから、従来の竹製にはないメリットがあります。
- プラスチック製:軽量で水に強く、洗いやすいのが特徴。竹よりもカビの心配が少なく、衛生的に扱いやすいです。ただし柔軟性に欠けるため、強く巻きたいときは少し扱いにくい場合があります。
- シリコン製:柔らかく、電子レンジや食洗機にも対応できるものが多いのが魅力です。両面が使えるデザインもあり、裏表を気にせず使える点も人気です。ただし、竹独特の自然な風合いはありません。
寿司だけでなくスイーツや洋食に応用したい方には、シリコン製がおすすめです。洗いやすく、清潔さを保ちやすいので、日常的に巻きすを使いたい方に最適です。
両面使える巻きすは便利?メリットとデメリット
最近では、裏表の区別がほとんどない両面使える巻きすも登場しています。特にシリコン製やプラスチック製に多く見られる仕様で、初心者にとっては「裏表を間違える心配がない」というメリットがあります。
両面巻きすのメリットは以下の通りです:
- 裏表を気にせずにすぐ使える
- ラップなしでも比較的くっつきにくい
- 洗いやすく、衛生的に保ちやすい
一方で、デメリットもあります:
- 竹製ほどのしなやかさがなく、巻き心地が異なる
- 仕上がりがやや人工的な印象になることがある
- 本格的な寿司職人のような「美しい仕上がり」を求める場合には不向き
両面巻きすは、日常的に簡単に巻き寿司を作りたい人や、洗いやすさを重視する家庭には非常に便利です。しかし、本格的な和食や来客用に美しく仕上げたい場合は、竹製の巻きすを使った方が自然な仕上がりになります。用途に応じて使い分けるのが賢い選び方です。
このように、巻きすは「寿司専用」ではなく、卵焼きや和菓子、さらには洋食やスイーツの形を整えるのにも活躍します。さらに、竹製・プラスチック製・シリコン製と素材ごとの特徴を理解して使い分ければ、料理の幅がぐっと広がるでしょう。
よくある質問(Q&A)
巻きすを使うとき、初心者だけでなく経験者でも「これってどうなんだろう?」と疑問に思うことが少なくありません。ここでは、巻きすに関して寄せられることの多い質問をまとめて、それぞれ分かりやすく解説します。正しい知識を持っておけば、料理の失敗も減り、巻きすをもっと便利に活用できるようになります。
巻きすの裏表を逆にしても使える?
結論から言えば、裏表を逆にしても巻けないことはありません。しかし、仕上がりや作業性に大きな差が出ます。
裏側(紐が見える面)を内側にしてしまうと、酢飯や海苔が紐や竹の隙間に入り込み、巻きすを外すときにくっついて剥がれにくくなるのです。その結果、きれいに巻けていたはずの寿司が崩れてしまうこともあります。
また、裏側は凹凸があるため摩擦が大きく、巻くときに均一な力をかけづらいのも問題です。そのため、巻きが緩んだり、断面が歪んでしまう原因になります。
特に見た目が大切な恵方巻きや来客用の巻き寿司では、必ず表(滑らかな面)を食材側に向けるのが基本です。
ラップを使えば裏表を気にしなくてもいい?
最近では、多くの家庭で巻きすにラップを敷いて使う方法が定着しています。ラップを使えば食材が直接巻きすに触れないため、確かに裏表をそれほど気にしなくても巻くことは可能です。
ただし、ラップを使っても裏表による影響がゼロになるわけではありません。表の滑らかな面を使った方が、ラップの上でも巻きやすく、形が整いやすいのです。裏面を使うとラップが竹の凹凸に沿って動くため、巻くときに余計な摩擦がかかってしまいます。
つまり、ラップを使うことで失敗のリスクを減らせるのは事実ですが、やはり基本に忠実に表を内側に使うのがベストです。
巻きすはどのくらいの頻度で買い替えるべき?
巻きすの寿命は使い方とお手入れ次第です。正しく洗って乾かし、カビや汚れがつかないようにすれば、竹製でも数年単位で使い続けることができます。
しかし、次のような状態になったら買い替えを検討しましょう。
- 竹が割れてささくれが出てきた
- 紐が切れたり緩んだりして形が崩れてきた
- 黒ずみやカビが落ちない
- 嫌なニオイが残ってしまう
家庭で週に1〜2回使う程度なら、竹製の巻きすでも3〜5年程度は持つことが多いです。反対に、使用頻度が高い場合や正しく乾燥できていない場合は、1年ほどで劣化してしまうこともあります。
プラスチック製やシリコン製は劣化が遅く、5年以上使えるケースも珍しくありません。ただし、シリコン製は切れ込みや変形が生じやすいため、ひび割れが見えたら買い替えのサインです。
プラスチック製やシリコン製にも裏表はある?
はい、基本的にはプラスチック製やシリコン製の巻きすにも裏表があります。ただし、竹製に比べると裏表の違いが目立たないため、迷う人も多いです。
多くの場合、滑らかな面が表で、凹凸や接合部がある面が裏と考えれば大丈夫です。
ただし、近年は「両面使える設計」のシリコン巻きすも登場しています。裏表を気にせず使えるため初心者には便利ですが、寿司職人が使う竹製ほどの自然な巻き心地や仕上がりは期待できないこともあります。目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
巻きすは電子レンジや食洗機で使える?
竹製の巻きすは電子レンジや食洗機には不向きです。高温で乾燥させると竹が割れたり紐が縮んでしまい、寿命が短くなります。必ず手洗いして自然乾燥させるようにしてください。
一方、シリコン製の巻きすは電子レンジや食洗機に対応している製品もあります。加熱調理や衛生面を重視する方は、シリコン製を選ぶと便利です。ただし、製品ごとに使用条件が異なるため、必ずパッケージや取扱説明書を確認してください。
このように、巻きすには素材や構造によって扱い方が変わります。疑問点を解消しておけば、失敗を防ぎ、より安心して使えるようになります。